頭痛外来

誰しもが頭痛を経験しますが、人によって症状の強さや感じ方は異なります。
日常にありふれているが故に軽視される傾向があり、生活や勉強、仕事への支障は他の人から理解されにくいことが実情です。
特に女性で頭痛を抱えている方は多く、頭痛だけでなく様々な体調不良も伴います。
このような症状に当てはまっていませんか?
- 「頭痛くらい我慢しなくては」と思っている
- 頻繁に市販薬を飲んでいる
- 頭痛薬の効きが悪い
- 頭痛のたびに気持ち悪くなる、寝込んでしまう
- 頭痛のために勉強や部活が頑張れない
- 頭痛で仕事を休んでしまったり、予定をキャンセルしてしまう
- 天気が悪くなると頭が痛くなる
- 生理のたびに頭痛がひどい
- 「ただの頭痛では病院にはかかれない」と考えている
頭痛診療におけるクリニックの役割
頭痛診療においてクリニックの役割は以下の2点です。
- 重篤な疾患を見逃さないこと
- 症状をコントロールして生活の質を上げること
頻度の高い頭痛には、片頭痛、筋緊張性頭痛などがあります。意外かもしれませんが、鎮痛薬の使い過ぎによる頭痛というものもあります。病院に受診する目安は頭痛の強さではなく、日常生活に支障があるかどうかです。頭痛でお困りの場合は、生活習慣の問題点や薬物治療について、当院で相談することができます。また診察した上で、重篤な疾患の除外のためにCTやMRIなどの画像検査が必要と判断された場合は、検査可能な施設にご紹介致します。
当院での頭痛治療

まず問診で頭痛の特徴から病型分類を行い、それぞれの病型に応じた治療方法を選択します。ただし頭痛の原因は単一とは限らず、複数の原因を有することもあります。包括的にそれらの病態を見極めた上で、適切な治療薬の選択を行います。
特に片頭痛の治療においては、頭痛発作が起きたときに使用する急性期治療薬だけでなく、頭痛発作の回数を減らし程度を軽くする予防薬が数多く存在します。
当院では頭痛ダイアリーを活用して、月単位で頭痛の回数や日常生活への影響度を確認しながら、薬剤の調整を行います。
また近年は片頭痛治療薬において新しい選択肢が増え、CGRP関連治療薬(※CGRP:カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という注射製剤が登場しております。片頭痛は何らかの刺激により、三叉神経からCGRPなどの神経伝達物質が放出され、脳内の血管などに作用することにより生じるとされています。
従来の予防薬で治療効果が不十分であった患者様の次の選択肢として有効です。いずれも予防目的で定期的に投与する皮下注射であり、注射の場所は腹部、大腿部、上腕部となります。院内で注射することも可能ですし、持ち帰ってご自身で注射することも可能です。全ての医院で処方できるわけではありませんが、当院は医師要件を満たしているため処方が可能です。ただし15歳以上の方が対象となります。
エムガルティ®(一般名:ガルカネズマブ)
片頭痛の原因物質であるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に結合し、その働きを抑えることで片頭痛の発作回数の減少や、症状を軽減する効果が期待できます。
初回は2本注射し、2ヶ月目からは月に1本、皮下注射します。
アジョビ®(一般名:フレマネズマブ)
前述のエムガルティ®(一般名:ガルカネズマブ)と同様に、片頭痛の原因物質であるCGRPに結合し、その働きを抑えることで片頭痛の発作回数の減少や、症状を軽減する効果が期待できます。
投与間隔は4週間に1回1本注射、または12週間に1回3本の注射を行う2通りの方法があります。
アイモビーグ®(一般名:エレヌマブ)
前述の2つの薬剤とは作用機序が異なり、片頭痛の発症に関わる物質であるCGRPのCGRP受容体への結合をブロックすることで効果を発揮します。
4週に1回の皮下注射で投与されます。